アニメなどのファンが作品の舞台やゆかりの地を訪ねて楽しむ“聖地巡礼”。この動きに合わせて観光を盛り上げる取り組みに、鳥取県が乗り出す。岩美町など県内にある“聖地”は今全国で話題になり、訪れるファンが多い。彼らをもてなす地元の取り組みを県もサポート、“聖地”を入り口に鳥取県を広く深く観光してもらう考えだ。
水泳にかける男子高校生の情熱と絆を描いたアニメ「Free!」は昨年7月から放送されブームに。ロケ参考地の岩美町には、直後からファンが各地からやってきた。登場人物のコスプレを楽しんだり、作中の場面そっくりの町並みや海岸を“聖地巡礼”する人が絶えない。
人気アニメ「琴浦さん」は主人公の名前が琴浦町に由来し、同町も“聖地”化。町内で昨夏開催した「琴浦さん」展には、首都圏や関西からもファンが詰めかけた。
県では、アニメへの憧れからファンが“聖地”を自ら観光している点に着目。町側も活性化へ向けファンを大事に迎え入れており、その交流を強めていく。具体的には平成26年度予算で約550万円を計上。グッズ提供、イベント開催、立て看板設置など、アニメが核の観光振興やまちづくりに、両町と“二人三脚”で取り組み、ひいては県全体の観光活性化へつなげようという方針だ。
県の担当者は「今、漫画やアニメが観光旅行に出る動機になっている。“聖地”と連携し、若者ら新たな層の観光客を迎えたい」としている。
(産経ニュース)